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ラストワンマイル配送の自動化を始めるための4つのステップ

31.08.2022 | Cleveron

Eコマースの売上が伸びたことで、小売業界のあり方も変わってきました。2022年、世界のEコマース市場における売上高は初めて5兆ドルを超え、なかでも小売業業界の売上高は全体の5分の1以上を占めるまでになりました。その総支出は2025年までに7兆ドルを超えるほどに、急増すると予想されています。この数字は、食料品などこれまで導入が遅れていた分野でも、ネットショッピングへの大きな移行があったことを示唆しています。Eコマースは主要な販売チャネルになりつつあると考えてよいでしょう。

  1. 問題の定義

まず始めに小売業者は、自社視点で状況を把握し、その上で解決すべき課題が何であるかを具体的に見極めなければなりません。Eコマース市場における購入数の急増は、小売店や食料品店に非常に多くの課題をもたらしています。そのため、まずは物流チェーンを分析し、どこにボトルネックがあるのかを正確に把握することが必要です。

Eコマースのブームにより、多くの企業はラストワンマイル配送のコストを飛躍的に増大させました。これにより、1日の注文数が増え、宅配便はコストは高くなり、また利用客が満足できるサービスを提供できないといった状況に直面する可能性があります。宅配便サービスは、近年非常に難化している人員確保と、小売業者にとっては負担の大きい大型車両への投資を必要とします。また、小売店や食料品店では、配送を第三者のサービス業者に委託することもできますが、その場合、さらにコストが高くなる傾向があります。利用客の立場からすると、自宅配送の場合は自宅で配達員の到着を待つ必要があり、一カ所に留まっていなければならないという制限が発生してしまいます。なんと62%もの顧客が配送の遅れや失敗を経験しているとされ、結果的にネガティブな顧客体験を生んでいるのです。

小売業者が手動でクリック&コレクトサービスを提供する場合、店内に長い行列ができたり、従業員が倉庫から荷物を取り出して顧客に手渡すなどの反復作業を一日中行うことになる可能性があります。長蛇の列はNPSスコア*を低下させ、カスタマージャーニー全体を台無しにします。

*NPSスコア(ネットプロモータースコア)とは、利用客が製品やサービスを他の人に薦める可能性がどの程度あるかを示す指標です。

2. 自社の課題に取り組む

ラストワンマイルの配送を効率化する方法は数多くあります。まずは、利用可能な選択肢を評価しましょう。クリック&コレクトサービス、マイクロフルフィルメントセンター、配送センター、パーセルロッカー、パーセルロボットやその他のソリューションなど、利用客の課題を解決するために何が最適かを調査する必要があります。ここでは、自分に合ったソリューションを見つけるために留意すべき点についてご紹介します。

  • 労働要件:このソリューションを選択した場合、スタッフの雇用、削減、または異動などが必要になるのか?
  • 購入から稼動までの期間:3ヶ月から1年以上まで様々
  • スケーラビリティ:選択したソリューションは店舗ネットワーク全体に適用可能か?
  • コスト:初期投資コスト、エネルギー、人件費、サービス・メンテナンス費
  • 建物の制限:屋内または屋外のソリューションの必要性を評価する
  • SKU数*:自動化によって何を提供しようとしているのか、つまり、提供する製品のどの部分を、またはどの程度自動化することで、オペレーションをより効率化しようとしているのか
  • 温度要件:管理された環境、冷蔵、冷凍庫
  • ROI:投資の効率性の評価。ROIを計算することで、ビジネスケースを開発すること
  • 持続可能性:ビジネス的にも環境的にも持続可能なソリューションであるかどうか

これらの点を考慮した上で、内部分析を行い、スタート地点を特定する必要があります。例えば、小売業者はまず、小包の量が多い店舗や待ち時間の長い店舗を特定してパイロットプロジェクトを開始します。ここでの実績を参考にすることで、他の店舗に展開していくことが可能となります。

* SKUはStock Keeping Unitの略で、小売業者はこの番号で製品を区別し、在庫量を把握します。

3. 自動化を実現するためのパートナー選択

自動化及びテクノロジーパートナーを選ぶ際には、信頼性と経験が重要な鍵となります。ベンダーは、同様の使用途で複数の導入実績があり、将来のニーズに対応するカスタマーサービスプログラムを有していることが望ましいといえます。さらに、他にも考慮すべき項目があります。適切なパートナーを選ぶことは、単にコスト削減のためだけではありません。

スタートアップ企業は革新的な新しいアプローチを提供できますが、私たちはその分野の専門家を選ぶことをお勧めします。技術系企業は移り変わりが激しいので、実績のある会社を探しましょう。ソフトウェアへの参入障壁は高くないものの、自動化機器の製造や流通・倉庫業務の理解に関しては、極めて専門的なスキルセットであるという見解に、業界の専門家は同意しています。エストニアで初めてパーセルロッカーネットワークを構築したCleveronは、ラストワンマイルの自動化を専門とする地元企業として、カスタマーサービスから製品開発、メンテナンスまで、貴重な市場知識を獲得しています。自社の応用に関しては、長年の経験を持つベンダーを探しましょう。最もシンプルな応用であっても、長年の設置経験とベストプラクティスを背景にした恩恵を受けることができます。ベンダーの既存顧客ベースを確認し、リストに同業界のその他の大手企業の名前があれば、そのソリューションが長期的に利用可能である可能性があります。

成長に対応できるパートナーを探しましょう。ビジネスが拡大した場合、アップグレードやスケールアップのためのオプションが必要となります。また、ベンダーが提供できる総合的な価値も考慮すべき点です。ハードウェアとソフトウェアだけを提供しているのか、それともCleveronのようにビジネスコンサルティングや導入サポート、年中無休のカスタマーサービス、リモートメンテナンスやオンサイトメンテナンスも行っているのか?という点です。テクノロジーパートナーの選択は簡単なことではなく、ビジネスニーズに合った企業を選ぶために、慎重に検討する必要があります。

4. パイロットプロジェクト

問題を定義して調査を行い、ベンダーに連絡を取り、パートナーを見つけたら、次のステップはパイロットプロジェクトを開始しましょう。パイロットプロジェクトを成功させるためには、プロジェクトの成功度を測るKPIを定義する必要があります。そのソリューションを全社的に展開する価値があるかどうかを検証するために、達成すべきゴールやOKR(目的と重要な結果)は何ですか? ここでプロジェクトのスコープを設定することで、具体的に何を測定または観測する必要があるのかが明確になり、その後の意思決定がしやすくなります。パイロットプロジェクトは、新しいソリューションを試すために行われるものなので、その成功のために十分なリソース(時間、マーケティング予算、スタッフなど)を割り当てることを心に留めておきましょう。

また、顧客のニーズを把握することも重要です。新しいテクノロジーソリューションを導入することを選択した場合、それを顧客ベースに伝える必要があります。新しいソリューションを顧客に紹介し、人によってはなじみのないものであるかもしれないその最初の体験を促すために、マーケティングチームにも情報を共有しましょう。アーリーアダプターは、顧客全体のごく一部であり、残りの顧客は、新しい自動化ソリューションを使用するために、プロモーションギフトや割引などのインセンティブが必要な場合があります。新しい自動化技術をテストする時間を十分にとり、その技術が長期的かつ大規模で行う場合に自社に適しているかどうかを確認するようにしてください。

 

Cleveronはエストニアのテック企業であり、ラストワンマイルのクリック&コレクトを自動化するロボットによるパーセルソリューションの開発で世界をリードしています。ハードウェアおよびソフトウェアの継続的な開発に加え、Cleveronは世界中のお客様にトレーニング、サポート、リモートおよびオンサイトメンテナンスを提供しています。Cleveronのソリューションにより、企業はラストワンマイル配送にかかるコストの削減、小包の配送と返品業務の合理化が実現でき、オムニチャネルの顧客体験を向上させることができます。Cleveronは、革新的なパーセルロボットやAPMを開発し、人々の生活で繰り返し行われる手作業や時間のかかる作業をなくすことで、時間の効率化に貢献することを目標としています。Cleveronのパーセルロッカーおよびロボットは、母国エストニアからペルー、サウジアラビアまで、全世界で毎年約2,000万個の小包を扱っています。ラストワンマイル配送の自動化を始めるには、[email protected]までお問い合わせください。

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Tarmo Tamm  

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